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家族情緒の歴史社会学  新刊

「家」と「近代家族」のはざまを読む

家族情緒の歴史社会学

「家」と「近代家族」の両者を踏まえた包括的な歴史社会学研究を展開する。

著者 本多 真隆
ジャンル 社会 > 家族
出版年月日 2018/02/28
ISBN 9784771030107
判型・ページ数 A5・296ページ
定価 本体5,700円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序 章 近代日本における家族情緒の問題
1 はじめに
2 本書の目的
3 分析の視角と対象
4 家族研究の学説史への着目
5 本書の構成と概要

第一章 「家」と「近代家族」の情緒
――家研究と近代家族論の問題構制――
1 はじめに
2 近代家族論における情緒の位置
3 家研究における情緒の位置
4 考 察――近代日本における「家」と「近代家族」の情緒
5 小 括

第Ⅰ部 家族情緒と家族社会学研究

第二章 家族研究における「ピエテート」概念受容の諸相
――戸田貞三と川島武宜の家族論にみる情緒と権威の関連性――
1 はじめに
2 「ピエテート=従属」と「感情的融合」――戸田貞三
3 「ピエテート=恭順」と「家族主義的親愛」――川島武宜
4 「ピエテート」の継承
5 小 括

第三章 戦後民主化と家族情緒
――「家族制度」と「民主主義的家族」の対比を中心に――
1 はじめに
2 「民主主義的家族」の情緒
3 「家族制度」の情緒
4 小 括

第四章 有賀喜左衛門の民主化論
――「家」の民主化と「家族」の民主化――
1 はじめに
2 戦後と「家」
3 有賀理論における「家」と「民主主義」
4 戦後の「家」の紐帯の持続と変容――「家」の民主化
5 小 括

第Ⅱ部 家族情緒の日本近代

第五章 近代日本における「家」の情緒
――一八九〇〜一九二〇年代における伝統的家族像の形成と再編――
1 はじめに
2 「家庭」論の展開
3 「家」の情緒の形成
4 「家」の情緒の再編
5 小 括

第六章 「和 harmony」としての夫婦間情緒
――一八九〇〜一九二〇年代における「夫婦相和シ」の解釈とその論理構成――
1 はじめに
2 「夫婦相和シ」の解釈の形成
3 「夫婦相和シ」の解釈の多様性
4 夫婦間情緒の称揚と抑制
5 小 括

第七章 近代日本の「家族」と買売春の位相
――廃娼・存娼論における「公娼/私娼」カテゴリーと家族規範の関連――
1 はじめに
2 「公娼」と「私娼」の形成
3 廃娼論と家族規範の関連
4 存娼論と家族規範の関連
5 買売春からみる「家」と「近代家族」の競合
6 小 括

第八章 「犠牲」と「保護」の家族情緒
――一九三〇年代前後の花柳界と「家族」言説の過渡的性格――
1 はじめに
2 花柳界の「家族主義」① ――芸娼妓の「犠牲」
3 花柳界の「家族主義」② ――抱主の「保護」
4 擬制的親子の情緒的関係
5 一九三〇年代前後の「家族」言説と花柳界
6 小 括

終 章 「家」と「近代家族」の再定位
1 第Ⅰ部の検討から
2 第Ⅱ部の検討から
3 「家」と「近代家族」の再定位
4 おわりに――今後の課題とともに

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内容説明

日本の伝統的家族である「家」にまつわる情緒的関係の痕跡を採集しなおすことで、「家」と「近代家族」の両者を踏まえた包括的な歴史社会学研究を展開する。


◎本書「あとがき」より抜粋
本書は、家族研究の学説史と近代日本の「家族」言説の検討を通して、家族の情緒的関係を、特に「家」と関連づけられたものに焦点をあわせて考察したものである。取りあげた主な資料は、過去の家族研究のほか、法制度上の「家」、「家族制度」をめぐる議論、「家庭」論、国体論、教育勅語、廃娼論、存娼論などであり、あつかった題材は、戦後の民主化や「家」の変容、また近代日本の家族変動や家族観の対立、そして公娼制度や「擬制」などにおよんだ。潜在的な関心もあげれば、「西洋」と「日本」の関係や、オリエンタリズム、ナショナリズムなどの問題も含まれよう。簡潔にいえば、これらに通底する「家」の情緒的関係のリアリティや、それをめぐる語りの所在が本書のテーマとなっている。

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