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フローと再帰性の社会学  新刊

記号と空間の経済

フローと再帰性の社会学

スコット・ラッシュとジョン・アーリによる重要文献、待望の初訳。拡張する再帰性めぐる社会理論。

著者 スコット・ラッシュ
ジョン・アーリ
安達 智史 監訳
中西 眞知子
清水 一彦
川崎 賢一
藤間 公太
笹島 秀晃
鳥越 信吾
ジャンル 社会
社会 > 社会理論
出版年月日 2018/04/20
ISBN 9784771029583
判型・ページ数 菊判・368ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

1 イントロダクション─組織化資本主義の後に

 第Ⅰ部 客体と主体の経済

2 移動する客体
 一節 空白化─主体、空間―時間、客体
 二節 資本主義の空間的制度─新たな中核
 三節 中核と周辺

3 再帰的主体
 一節 再帰的近代化─リスク社会
 二節 ギデンズ─近代の自己再帰性
 三節 身体と分類
 四節 自己の源泉─寓話の使用
 五節 美的再帰性と時間―空間

第Ⅱ部 記号およびその他の経済

4 再帰的蓄積─情報構造と生産システム
 一節 集合的再帰性─日本型生産システム
 二節 実践的再帰性─ドイツ型生産システム
 三節 言説的再帰性─情報に満ちた生産システム
 四節 結 論

5 集積する記号─文化産業
 一節 フレキシブルな生産─脱統合した企業
 二節 フレキシビリティの限界─訓練、資金調達、流通
 三節 再帰的客体
 四節 結 論

6 統治できない空間─アンダークラスと逼迫したゲットー
 一節 アメリカのアンダークラス
 二節 ヨーロッパのアンダークラス
 三節 分極化─貧困層と専門職
 四節 空間をめぐる政治とアンダークラスの形成

7 移動する主体─移民の国際比較
 一節 組織化資本主義後の移民
 二節 事例研究─衣料産業とファッション産業
 三節 再統合したドイツのコーポラティズムを通じた排除
 四節 結 論

 第Ⅲ部 空間と時間の経済

8 ポスト工業的空間
 一節 サービス産業の再編
 二節 再編と公共部門
 三節 サービス産業と場所の再編
 四節 結 論

9 時間と記憶
 一節 時間の社会学
 二節 時間および構造の二重性
 三節 時間、権力、自然
 四節 脱組織化資本主義と時間

 第Ⅳ部グローバル化と近代

10 モビリティ、近代、場所
 一節 旅行と近代
 二節 組織化したツーリズムの出現
 三節 旅行者サービス産業と脱組織化資本主義
 四節 結 論

11 グローバル化とローカル化
 一節 貨幣と金融
 二節 自然と環境
 三節 グローバルな文化とナショナルな文化
 四節 結 論

12 結 論

訳者あとがき
参考文献
事項索引
人名索引

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内容説明

◎スコット・ラッシュとジョン・アーリによる重要文献、待望の初訳

情報、コミュニケーション、文化産業(映画、TV、出版、レコード、広告)、ゲットー、移民、時間、旅行、自然など、広範なテーマから、多様な経済・社会現象を解明する。今日のグローバル化社会においてますます強化される、フローと再帰性をめぐる記号と空間の社会理論を提唱。

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ためし読み

 『記号と空間の経済(邦題:フローと再帰性の社会学─記号と空間の経済)』は、フローをめぐる、つまり、情報、コミュニケーション、商品、移民、リスク、金融といったフローについての作品である。ジョン・アーリと私が本書を1994年に公刊して以来、多くのことが生じている。なかでももっとも重大で悲しむべき出来事は、2016年3月のジョン・アーリの早すぎる死であろう。ジョンの逝去は大変残念なことである。
 私がこの序文を書いている2017年10月という時期に、本書はいまだ重要性を有しているのだろうか。23年前、われわれは首尾良くポスト産業社会へと突入したのかもしれない。そのため、マルクス主義の想定や、おおむね19世紀の終わりから1960年代までのほとんどの社会がそうであったように、主たる分断はおそらく階級間に生じるものではなくなっている。『記号と空間の経済』は、グローバル化をめぐる最初の書籍の一冊に数えられている。なぜならば、そのなかで扱われているフローは、グローバルなフローだったからである。現時点で主たる分断は、グローバル化の推進者とその反対者との間にあるであろう。後者には、ドナルド・トランプやブレグジット(Brexit)といった、グローバル化が残していったものが含まれる。ウルリッヒ・ベックが『危険社会』を執筆したとき、リスクの勝者と敗者について語ることができた。今日では、─もはや1994年ではないが、─グローバル化の勝者と敗者について語ることができるのである。
(中略)
 上記のすべての点が、1994年から2018年の間に記号と空間の経済が強化されている点を記録しており、本書をかつてなく重要なものとしているのである。
――スコット・ラッシュ(「日本語版への序文」より)

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