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琵琶湖水域圏の可能性  新刊

里山学からの展望

琵琶湖水域圏の可能性

琵琶湖を中心とした循環型自然・社会・文化環境。「地方消滅」が叫ばれるなか自然共生・循環型の持続可能な社会のあり方を追求する。

著者 牛尾 洋也 編著
吉岡 祥充 編著
清水 万由子 編著
丸山 徳次
秋山 道雄
田中 滋
石塚 武志
中川 晃成
釜井 俊孝
村澤 真保呂
山中 裕樹
須川 恒
太田 真人
岩瀬 剛二
猪谷 富雄
宮浦富保
須藤 護
山下 直子
占部 武生
水原 詞治
鈴木 龍也
西脇 秀一郎
金 紅実
池田 恒男
ジャンル 社会科学
出版年月日 2018/03/30
ISBN 9784771030565
判型・ページ数 A5・338ページ
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第Ⅰ部 里山学と琵琶湖

第1章 「里山問題」の転換と里山学の課題―〈文化としての自然〉の保全・再生―(丸山徳次)
はじめに―「人新世」時代と里山学の意義―
1  里山学の提唱
2  里山学とは何か
3 「人の手が入った自然」と「文化としての自然」
4  里山の〈過少利用〉問題

第2章  琵琶湖保全再生計画の位相―琵総終結後20年間の堆積と変容をめぐって―(秋山道雄)
はじめに
1  琵琶湖総合開発終了後の制度と政策
2  琵琶湖総合開発以後における保全構想の推移
おわりに

第3章  琵琶湖とその「乳母」たち―流入河川の存在意義を考える―(田中 滋)
1  なぜ流入河川に注目するのか
2  琵琶湖と流入河川の関係
3  水が生み出す豊かさ―愛知川下流域の産業と文化―
おわりに―「母なる湖」という比喩を無効にしないために―

第4章  琵琶湖流域治水条例(石塚武志)
はじめに
1  滋賀県の流域治水政策の位置づけ
2  流域治水条例の内容
3  流域治水政策の意義

第5章  公衆の水への権利に向けて―水法の法理論的課題―(牛尾洋也)
1  水の公共財産制と権利性
2  法理論における課題
3  新たな権利論への歩み

第6章  ストックとしての里山と持続可能な発展―琵琶湖水域圏における人と水の相互作用―(清水万由子)
はじめに―持続可能な発展と里山―
1  持続可能な発展評価の資本アプローチ
2  資本アプローチの展開とその限界
3  環境ストックとしての里山―琵琶湖水域圏・愛知川を例に―
おわりに

第Ⅱ部  琵琶湖と地形

第7章  流域をとらえる―愛知川流域の地形・水系・地割―(中川晃成)
はじめに
1 水系の作る地形,地形の規定する水系
2  古代の開発と地形
おわりに

第8章  河川,琵琶湖,盆地による〈繋がりと分断〉を考える―近代化の「負の遺産」克服のために―(田中 滋)
はじめに
1 「河川・琵琶湖の近代化」と農業水利の近代化
2  農林業近代化の「負の遺産」
3 「負の遺産」の克服と未来像の模索
おわりに

第9章  近江愛知郡神埼郡の条里と古代愛知川流路(中川晃成)
はじめに
1  条 里
2  里の比定
3  群境と愛知川流路
おわりに

第10章  戦後の里山開発と谷埋め盛土地すべり(釜井俊孝)
はじめに
1  谷埋め盛土地すべりの出現
2  谷埋め盛土地すべり小史
3  遅れてきた公害
4  未来の思想―おわりに代えて―

コラム1  里山の心理的景観と環境教育(村澤真保呂)

第Ⅲ部  琵琶湖といきもの

第11章  環境DNA分析による琵琶湖水系の魚類相解析と生態研究への応用(山中裕樹)
はじめに―環境DNA分析とは何か:研究事例とともに―
1  琵琶湖での研究実施例:種の分布と季節変化
2  淀川での研究実施例:魚類の回遊
おわりに―当たり前に使われる,道具としての環境DNA分析―

第12章  カワウ問題解決のための順応的管理と河川環境改善(須川 恒)
1  カワウ問題へのかかわり
2  カワウの特定鳥獣保護管理計画のための基本指針作成
3  カワウの特定計画指針の改訂版作成
4  京都府の事例
5  京都府における注目すべき動き
6  国レベルの順応的管理

第13章  河辺林の特徴と蝶から見る里山的価値(太田真人)
はじめに
1  河辺林とは
2 「河辺いきものの森」
3  蝶から見た河辺林
4  河辺林と生物多様性

コラム2  荒川下流河川敷における外来寄生植物ヤセウツボの繁殖(岩瀬剛二)
コラム3  多様な稲による地域おこし―滋賀県の稲作と古代米―(猪谷富雄)

第Ⅳ部  琵琶湖と森

第14章  東近江市の森林利用の歴史(宮浦富保)
はじめに
1  概 況
2  江戸時代以前の森林の状況
3  明治時代以降の森林の状況
おわりに

第15章  東近江・小椋谷と木地師(須藤 護)
はじめに
1  木器や漆器が普及した時代
2  木器と漆器の最盛期
3  筒井公文所(蛭谷)と高松御所(君が畑)の役割
4  氏子駈帳(氏子狩帳)のこと
おわりに

第16章  中山間地における広葉樹資源の循環的利用と森林再生―東近江市の里山から考える―(山下直子)
はじめに
1  森林をとりまく状況の変遷
2  東近江市の森林の特徴
3  森林の利用と再生を実現する地域力
おわりに

第17章  薪ストーブの状況とその燃焼ガス中未燃ガス(一酸化炭素)の触媒による完全燃焼化実験(占部武生・水原詞治)
1  薪ストーブの状況
2  燃焼ガス中未燃ガス(一酸化炭素)の触媒による完全燃焼化実験

第18章  公社造林と里山―「造林公社問題」の残された課題―(吉岡祥充)
はじめに
1  滋賀県における「造林公社問題」
2  高度成長期における公社造林の政策史的意味
おわりに―公社造林と里山の今後―

第19章  入会の環境保全機能に関する一考察―近年の入会訴訟の検討から―(鈴木龍也)
1 「入会の環境保全機能」の諸側面
2  戦後における入会訴訟の変化
3  近年の入会訴訟と入会の環境保全機能
4  全員一致原則に関する若干の考察

第20章  地緑団体の法的性格とその規範的意義(西脇秀一郎)
1  地緑団体制度の基礎研究に向けて
2  地緑団体の沿革と実体
3  裁判例からみる地緑団体
4  法制度からみる地緑団体
5  地緑団体の法的性格とその規範的意義

第21章  中国森林財政の発展と森林保全政策の展開―里山学の視座から―(金 紅実)
はじめに
1  森林財政の発展と森林保全政策の展開
2  6大国家重点森林プロジェクトにみられる公共支出の傾向
3  森林の公益的機能と生態公益林制度の導入
4  京津風沙源対策事業にみられる政府間財政移転制度
おわりに

補 論  水管理の国家化・技術化と「権利の体系」―水・人間関係への法学的接近方法の備忘録―(池田恒男)
1  人間の外界的自然に対する反作用・支配の一環としての流水管理問題
2  近代社会への移行に伴う流水管理の変遷とその法形態
3  今日の流水管理の国家化・技術化と法学
4  日本の水管理とその背景―自然史的人類史を媒介する歴史的分析の必要―
5  戦後農業・農政の展開から見た水利事情の変化と法学的アプローチの方法

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内容説明

琵琶湖を中心とした循環型自然・社会・文化環境の総合研究の書

琵琶湖を中心として、表流水、地下水位域や氾濫域、人間活動による利水域や排水域、またそこに存在する生き物の生態系といった水域圏全体に焦点を当て、都市部と農村部が行政や地域住民などと協働し、新たなSatoyamaモデルを構築するための端諸をひらく。

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