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イクメンじゃない「父親の子育て」

現代日本における父親の男らしさと〈ケアとしての子育て〉

イクメンじゃない「父親の子育て」

本書では父親の子育てをメディアや父親へのインタビュー調査より分析し、イクメンとは異なる父親の子育てへの新しいまなざしを示す。

著者 巽 真理子
ジャンル 社会 > 社会学
社会 > ジェンダー
出版年月日 2018/05/10
ISBN 9784771030350
判型・ページ数 4-6・208ページ
定価 2,640円
在庫 在庫あり
 

目次

まえがき    「ジェンダー化された男性」としての父親

第1章「父親の子育て」再考―〈ケアとしての子育て〉と男らしさのジレンマ
はじめに―戦後日本における家族
 1. 日本の「父親の子育て」政策
 2.「父親の子育て」に関する研究
 3. 戦後日本の「父親の子育て」政策と父親研究の課題
 4. 欧米のケア論からの「子育て」のとらえ直し―〈ケアとしての子育て〉
 5. 父親と現代日本の男らしさ
 6. 理論的仮説としての8タイプの父親像

第2章 育児雑誌における父親像と性別役割分業
はじめに―メディアの中の父親像とジェンダー規範
  1. 雑誌における男性像と父親像―先行研究と本章の分析視点
  2.『たまごクラブ』『ひよこクラブ』の父親コーナー―調査方法と分析対象誌の特徴
  3. 3つの父親像《稼ぎ手としての父親》《子育てする男》《子育てが苦手な男》とサクセス・ストーリー
  4. 3つの父親像と〈ケアとしての子育て〉
おわりに―男らしい「父親の子育て」は性別役割分業を解消できるか?

第3章 公私領域と「父親の子育て」―イクメンプロジェクト(厚生労働省)ホームページの父親の育児体験談か ら
はじめに―父親個人の変化と公私領域のジェンダー規範
 1. 分析枠組「公私領域と性別役割分業の相互作用モデル」
 2. イクメン宣言をする父親たち―調査方法と分析対象者の特徴
 3. 家庭/職場/地域領域における「父親の子育て」―子育てへの積極性と居場所との関連 
 4. 父親の〈ケアとしての子育て〉実践の可能性
おわりに ―周囲の理解や承認が必要な「父親の子育て」

第4章「父親の子育て」と公私領域のジェンダー規範―インタビュー・データから
はじめに―父親と公私領域のジェンダー規範とのダイナミクス
 1. ジェンダー規範の大きな変化を経験した父親たち―調査方法と分析対象者の特徴
 2.  「父親の子育て」の現状―分析対象者の共通点と相違点
 3. 子どもが生まれた後の働き方と「父親の子育て」
 4. 「父親の子育て」と職場/家庭領域のジェンダー規範
おわりに―職場領域における〈「一家の稼ぎ主」という男らしさ〉の強固さ

終章 「父親の子育て」から〈ケアとしての子育て〉へ
  1. 「父親の子育て」における〈ケアとしての子育て〉とジェンダー規範とのジレンマ
  2. ケアを基盤とした社会を目指して

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内容説明

子育てする父親だけど、イクメンじゃない?! 

イクメンがもてはやされる現代日本において、父親が子育てに関わりづらいのは、
長時間労働だけが原因なのだろうか?
本書では「男らしさ」と「ケアとしての子育て」という観点から、
父親の子育てをメディア(育児雑誌、厚生労働省ホームページ)や父親へのインタビュー調査より分析し、
イクメンとは異なる、父親の子育てへの新しいまなざしを示す。

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