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7人の看護師さんの体験談からすくいあげられた7つの「看護の知」  新刊

7人の看護師さんの体験談からすくいあげられた7つの「看護の知」

「看護の知」とはなにかを、7つの研究事例をとおして解説し、看護実践の指針を具体的に示している。

著者 山中 恵利子
ジャンル 社会科学総記 > 社会
出版年月日 2018/10/20
ISBN 9784771031128
判型・ページ数 4-6・136ページ
定価 本体1,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

推薦のことば
はじめに

Ⅰ部 本書の目的と体験談の分析方法

第1章 看護体験談から当事者の主観的な世界を描き、「看護の知」をすくいあげる
 第1節 筆者の看護師時代
 第2節 看護師の仕事は社会的に理解されているのだろうか?
 第3節 本書の2つの目的について 

第2章 体験談の分析の仕方
 第1節 具体的な分析の仕方
  第1項 追体験の方法
  第2項 分析するうえでの主題(問題)・解釈・動機(解決策)について
  第3項 目的動機と理由動機
 第2節 「看護の知」はどのようにしてすくいあげるのでしょうか?
 第3節 体験談を考察するうえで重要な2つのポイント
    「患者・家族との間主観性」及び「看護師としての役割」について

Ⅱ部 看護体験談の紹介と分析・すくいあげられた「看護の知」

 痛みを訴える患者さんの事例
第3章 患者の強い痛みを理解できなかったA看護師の事例

● すくいあげられた「看護の知」  患者さんが〝痛い!〟と訴えた時、その言葉を信じて痛
みから解放することを目標に看護をおこなう。なぜならば、患者さんは「この痛みは誰もわかっ
てくれないのだ」と、1人孤独のなかで苦しむことになるからである。

 第1節 A看護師の体験談
 第2節 A看護師の体験談の分析
 第3節 A看護師の「主観的な意味の世界」について
  第1項 A看護師の「主観的な意味の世界」と「看護の知」
  第2項 「X氏との間主観性」及び「看護師としての役割」について

 とっつきにくい患者さんの事例
第4章 寡黙・孤独である患者との粘り強い関係づくりをおこなったB看護師の事例

● すくいあげられた「看護の知」  患者さんから無視されて病室に行くのが億劫になった時、
患者さんに適した看護を提供することによってコミュニケーションの機会が増え、ラポール形
成のチャンスが生まれる。

 第1節 B看護師の体験談
 第2節 B看護師の体験談の分析
 第3節 B看護師の「主観的な意味の世界」について
  第1項 B看護師の「主観的な意味の世界」と「看護の知
  第2項 「Y氏との間主観性」及び「看護師としての役割」について

 患者さんから叱責を受けた事例
第5章 患者からの叱責で我が身を振り返ることができたC看護師の事例

● すくいあげられた「看護の知」  業務の忙しさのなかで患者さんへの親身な対応は難しい。
しかし、看護師は患者さんに親身な対応をとらなければならない。なぜならば、患者さんに親
身に対応することによってのみ、看護の手応えを感じることができるからである。
 第1節 C看護師の体験談
 第2節 C看護師の体験談の分析
 第3節 C看護師の「主観的な意味の世界」について
  第1項 C看護師の「主観的な意味の世界」と「看護の知」
  第2項 「Z氏との間主観性」及び「看護師としての役割」について

 救急時の患者さんの事例
第6章 救急時の患者への配慮不足を後悔するD看護師の事例

● すくいあげられた「看護の知」  救急搬送された患者さんは精神的動揺が強く、痛みに敏
感である。このような場合は、いかなる問題状況にも対応できるようにストレッチャーを用い
て護送することが肝要である。

 第1節 D看護師の体験談
 第2節 D看護師の体験談の分析
 第3節 D看護師の「主観的な意味の世界」について 
  第1項 D看護師の「主観的な意味の世界」と「看護の知」
  第2項 「H氏との間主観性」及び「看護師としての役割」について

 終末期における看護の事例 ①        
第7章 終末期の患者にベストな外泊時期を逸したE看護師の事例

● すくいあげられた「看護の知」  終末期の患者さんの想いを表情や言葉づかいから推測す
ることが大切である。なぜならば、患者さんが抱いている希望をすくいあげ、実現できるよう
にアプローチすることが重要だからである

 第1節 E看護師の体験談
 第2節 E看護師の体験談の分析
 第3節 E看護師の「主観的な意味の世界」について
  第1項 E看護師の「主観的な意味の世界」と「看護の知」
  第2項 「K氏との間主観性」及び「看護師としての役割」について

 終末期における看護の事例 ②  
第8章 家族の気持ちに応えて終末期にある母親の洗髪をおこなったF看護師の事例

● すくいあげられた「看護の知」  終末期にある患者さんの家族からケアの不足を指摘され
た時、看護業務が多忙であってもそのケアを実践することが望ましい。なぜならば、患者さん
の看護に必死に取り組んでいる家族への誠意を示すことは大切だからである。

 第1節 F看護師の体験談
 第2節 F看護師の体験談の分析
 第3節 F看護師の「主観的な意味の世界」について
  第1項 F看護師の「主観的な意味の世界」と「看護の知」
  第2項 「家族(娘さん)との間主観性」及び「看護師としての役割」について

 終末期における看護の事例 ③  
第9章 終末期の患者のQOL を尊重したG看護師の事例

● すくいあげられた「看護の知」  終末期の患者さんを看護する時、患者さんの希望を充分
に反映することが重要である。そのためには、援助に関わる全員が個別性のある看護計画に精
通することである。

 第1節 G看護師の体験談
 第2節 G看護師の体験談の分析
 第3節 G看護師の「主観的な意味の世界」について
  第1項 G看護師の「主観的な意味の世界」と「看護の知」
  第2項「M氏との間主観性」及び「看護師としての役割」について

おわりにあたって
 1.考 察
 2.理論的背景であるシュッツ理論について
  アルフレッド・シュッツという人物について
  アルフレッド・シュッツの理論とは
  レリヴァンス概念について

体験談を筆者が追体験(意味解釈)した内容
 第3章 A看護師の体験談の追体験
 第4章 B看護師の体験談の追体験
 第5章 C看護師の体験談の追体験
 第6章 D看護師の体験談の追体験
 第7章 E看護師の体験談の追体験
 第8章 F看護師の体験談の追体験
 第9章 G看護師の体験談の追体験

引用・参考文献

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ためし読み

はじめに
 筆者は1951 年生まれですので、2018 年で67歳になりました。看護師です。そして現在は看護系の短期大学に勤めています。21歳で看護師の資格を取得して、その後13年間公立病院で勤務しました。この本を書こうと思った動機は、13年間の看護体験から沸き上がってきました。
 筆者が研究の道に入ったのは、筆者の看護体験を、そして他の看護師さんの看護体験を分析して看護の実践現場に役立てる事ができないか、と考えたことがきっかけでした。そのためには、看護師さんの看護体験のなかに沈殿している「看護の知」をすくいあげる事が必要です。筆者はシュッツ理論の他者を理解する方法を用いて、看護師さんの体験談話を分析することで、「看護の知」をすくいあげる事ができるのではないかと考えました。
こういった研究を始めて、かれこれ17年間になります。今回、私の研究成果を初めて本の形にしました。難しい理屈はなるべく易しく、分かり易く書いています。
 本書を看護師さんに読んでいただいて仕事に役立ててもらえれば本当に嬉しいです。また看護師さんの仕事に興味をお持ちの方にも読んでいただきたいです。看護師さんが看護をおこなっている時の気持ちが理解できると思います。多くの方々に最後までじっくり読んでほしいと思っています。
 最後にこれまで研究を指導していただいた立命館大学大学院社会学研究科の中村正先生、松田亮三先生、丸山里美先生、そして立命館大学人間科学研究科の村本邦子先生には長きにわたりご指導を承りました。厚く御礼申し上げます。有難うございました。そして修士課程から現在まで熱心に丁寧にご指導していただきました、立命館大学名誉教授 佐藤嘉一先生に厚く御礼申し上げます。佐藤先生からは本書の「推薦のことば」もいただきました。重ねて感謝申し上げます。
 第Ⅱ部に看護体験談を紹介しておりますが、筆者の研究に賛同していただきました7人の看護師さんに感謝申し上げます。忙しいなか業務を調整いただき、約1時間のインタビューをさせていただきました。誠にありがとうございました。
  2018年5月7日
  山中 恵利子

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