目次
1 本書の意義
2 包括的権利保障の必要性と「生存保障」としての雇用・労働の保障
3 公私二元的ジェンダー秩序とホモフォビア
4 日本社会とLGBTI
5 本書の構成と今後の課題
第1章 LGBTの人権保障と労働法 [名古道功]
はじめに
1 実情
2 LGBTと雇用・労働をめぐる動向
3 立法・裁判例の動向
4 具体的ケースの法的検討
5 雇用・労働における性的マイノリティの人権保障の課題
おわりに
コラム1 職場や学校での通称 [榊原富士子]
第2章 LGBTが働きやすい職場づくりへ向けた企業の取り組み [村木真紀・後藤純一]
1 LGBTを取り巻く日本の職場環境の現状
2 企業の取り組みの実際
3 今後の方向性
おわりに
コラム2「マジョリティ」をどう変えるか? [伊藤公雄]
――社会を多様(レインボーカラー)化させるために
第3章 LGBTIの雇用と労働に関する国際労働機関(ILO)の政策 [木村愛子]
1 労働者の基本的人権を保障する国際諸組織の歴史
2 性差別禁止の歴史的展開
3 LGBTIの労働者の実態調査
4 ILOのLGBTI労働政策
おわりに
コラム3 韓国における軍とLGBT [國分典子]
第4章 LGBTが職場で直面している困難の法的解決に向けて [永野 靖]
1 ある法律相談の事例から
2 職場における困難と法的問題点
3 LGBTの可視化と理解の好循環を生み出す法整備の必要性
おわりに
第5章 LGBTの就職と就労 [藥師実芳]
1 LGBTの就職活動(就活)の現状
2 LGBTの就活における困難
3 職場で求められること
4 就労支援機関/支援者等に求められること
5 ReBitのLGBT就活事業の取り組み
おわりに
用語解説・判例・法令
内容説明
ダイバーシティこそ、企業の生き残り戦略―互いに「ちがい」を尊重しよう!
LGBTIにとって働きやすい職場は、だれにとっても働きやすい職場—有為な人材を得るために
就職活動や労働において当事者が直面する様々な困難を明らかにし、その法的解決方法を分析。
また、ILO(国際労働機関)や先進的な企業の取り組み、当事者にむけた就職支援の紹介を通じて、
誰もが自分らしく働ける職場とはどのようなものか考えます。
〈編著者紹介〉
三成美保(みつなり みほ)
奈良女子大学副学長、同大学研究院生活環境科学系教授。
専門:ジェンダー法学、ジェンダー史、西洋法制度
〈著者紹介(執筆順)〉
名古道功(なこ みちたか)
金沢大学名誉教授。
専門:労働法
村木真紀(むらき まき)
特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ(LGBTも働きやすい職場づくりを推進するNPO)理事長、社会保険労務士。
LGBTと職場に関する調査研究、社会教育、情報発信を行うNPOを運営。
大手企業や省庁、自治体にて研修、講演の実績多数。
特定非営利活動法人虹色ダイバーシティhttps://nijiirodiversity.jp/
後藤純一(ごとう じゅんいち)
株式会社アウト・ジャパン取締役。
専門:LGBTに関する編集・執筆
All About[セクシュアルマイノリティ・同性愛]ガイドをはじめ、ゲイライターとして、22年にわたって同性愛をはじめとするセクシュアルマイノリティについて多くの媒体に執筆。現在は大手企業や自治体などへの研修、講演も実施。
木村愛子(きむら あいこ)
特定非営利活動法人ILO活動推進日本協議会 理事長。
専門:女性労働の国際比較研究、ILOを中心に
永野靖(ながの やすし)
弁護士。
商工中金で中小企業金融に携わった後、2000年に弁護士登録。市民や中小企業の法律問題に幅広く取り組む。LGBTからの相談も多く、経産省性同一性障害者職場処遇訴訟、日本人同性パートナーを有する台湾人在留資格訴訟の代理人を務める。
藥師実芳(やくし みか)
認定特定非営利活動法人ReBit代表理事、キャリアカウンセラー。
企業、行政、学校などでの講演やLGBTの就活・就労の支援、LGBTの教育や就活に関する調査研究を行う。
認定特定非営利活動法人ReBithttps://rebitlgbt.org/
〈コラム執筆〉
榊原富士子(さかきばら ふじこ)
弁護士。
専門:家族法、家事事件
夫婦別姓訴訟(1次、2次)の弁護団長をつとめる。
伊藤公雄(いとう きみお)
京都産業大学現代社会学部客員教授、京都大学・大阪大学名誉教授。
男性の非暴力ホワイトリボンキャンペーンジャパン共同代表など。
専門:文化社会学・ジェンダー論
國分典子(こくぶん のりこ)
法政大学法学部教授。
専門:韓国憲法、憲法思想史
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