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グローバル社会の変容

スコット・ラッシュ来日講演を経て

グローバル社会の変容

2018年のスコット・ラッシュ来日講演をきっかけに編まれた、グローバル社会の変容をめぐる縦横無尽な議論の成果

著者 中西 眞知子 編著
鳥越 信吾 編著
牛膓 政孝
近森 高明
坂井 晃介
赤堀 三郎
津村 将章
遠藤 英樹
片桐 雅隆
川崎 賢一
伊志嶺 絵里子
安達 智史
Richard Harris
ジャンル 社会 > 社会学
社会 > 文化研究
出版年月日 2020/03/25
ISBN 9784771033085
判型・ページ数 A5・280ページ
定価 3,960円
在庫 在庫あり
 

目次

序(中西 眞知子)

第Ⅰ部 近代社会の枠組み

第1章 市場がとらえる直感的再帰性
    ――再帰性の変容(中西眞知子)
 1 はじめに
 2 認知的・制度的な再帰性から美的・解釈学的な再帰性へ
 3 グローバル社会における市場再帰性やメディア再帰性の誕生
 4 日本の再帰性
 5 市場がとらえる美や五感の直感的再帰性とプラットフォーム資本主義
 6 結 び

第2章 社会学における待機の問題
    ——シュッツのパースペクティブからの接近(鳥越信吾)
 1 はじめに
 2 待機はどのように論じられてきたか
 3 シュッツにおける時間と生活世界
 4 シュッツにおける待機
 5 シュッツ待機論の示唆
 6 おわりに

第Ⅱ部 コミュニティ

第3章 共同体を想像すること
    ――スコット・ラッシュにおける共同体論の再構成(牛膓政孝)
 1 はじめに
 2 ギデンズ社会学への批判
 3 ラッシュ共同体論をめぐる2つの観点――非認知的なものと伝統
 4 共同体を想像すること
 5 おわりに

第4章 フォレンジックスの時代
    ――建築家エヤル・ヴァイツマンの思想と実践(近森高明)
 1 不可視化する都市
 2 フォレンジック・アーキテクチャ
 3 フォレンジックスの時代
 4 支配の建築
 5 人道の逆説

第5章 統治実践における「社会的なもの」
    ――19世紀後半ドイツにおける社会国家形成を事例に(坂井晃介)
 1 問題の所在
 2 社会国家の形成前提としての労働者保険立法
 3 政治のGesellschaft――維持される秩序として
 4 国家介入の理由
 5 学術的知見の部分参照――ヴァーゲナー・ローマン・ビスマルク
 6 結 論――「社会的なもの」の分岐と相互的部分参照

第Ⅲ部 欲望と消費

第6章 欲望を生み出す社会,社会を生み出す欲望
    ――欲望の再帰的構成(赤堀三郎)
 1 はじめに
 2 20世紀における欲望の変容
 3 欲望に対する解釈がもたらすもの
 4 欲望のゆくえ

第7章 物語論,脚本論の観点から分析する物語広告(津村将章)
 1 物語の読み解き方
 2 分析対象
 3 物語広告の分析
 4 まとめと考察
 5 研究の限界と今後の課題
 6 グローバル社会における物語広告の役割と今後の展開

第8章 モバイル=デジタル時代の観光
    ――「観光の終焉」? それとも「観光の徹底」?(遠藤英樹)
 1 はじめに
 2 現代の「社会空間」に影響をあたえるモビリティ
 3 「モビリティの時代」における「社会空間」としてのメディア
 4 ツーリズム・モビリティを「現実」化する「プラットフォーム」
 5 むすびにかえて――宙吊りにする問い

第Ⅳ部 アイデンティティと文化

第9章 日本社会における圧縮された自己の変遷
    ――近代的個人・私化する自己・心理化する自己をめぐって(片桐雅隆)
 1 圧縮された自己とは――本章の主旨について
 2 近代化と近代的個人
 3 大衆社会化と私化する自己
 4 心理化と心理化する自己
 5 おわりに

第10章 文化はデザインするのか,変容するのか?
    ――シンガポールの文化制度からの考察(川崎賢一・伊志嶺絵里子)
 1 目的と背景
 2 芸術文化政策の変遷と省庁再編
 3 政府からの補助金と助成事業
 4 シンガポールは文化をデザインしたのか?

第11章 「ゾンビ概念」としての多文化主義?
     ――ポスト7/7時代におけるイギリスの社会統合をめぐる理論・言説・政策(安達智史)
 1 「ゾンビ概念」としての多文化主義?――ヨーロッパ社会の統合をめぐる危機
 2 イギリスにおける多文化主義とその「死」
 3 インターカルチュラリズム
 4 平行生活とコミュニティの結束
 5 インターカルチュラリズムへの反批判
 6 Dead, but still Living!!――「ゾンビ概念」から「ゾンビ多文化主義」へ

第12章 Perceptions in and of the City:
    Transformations of Multiculturalism(Richard Harris)
 Introduction
 Cosmological perception
 Geographical perception
 Environmental perception
 Communal perception
 Residential perception
 Personal perception
 Conclusion

あとがき(中西眞知子・鳥越信吾)

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内容説明

 


昨日はブレグジットだった。先週はコロナウイルス。明日はトランプが無罪放免される。

グローバリゼーションはこれまで脅威にさらされたことがなかった。

しかし本書は,もう一つの空間を開いてくれた。さらなる再帰的グローバル化である。
フォレンジックス(復元)の知覚と欲望のエネルギーと多文化主義が,
さまざまな社会と自己の変容の可能性を開く。

スコット・ラッシュ2020年2月1日)




2018年のスコット・ラッシュ来日講演をきっかけに,ラッシュの理論・著作に刺激を受けた研究者たちによって編まれた論文集。近代社会の枠組み,コミュニティ,消費と欲望,アイデンティティと文化というⅣ部構成で,さまざまな観点からグローバル社会を論じる。


装丁 安藤紫野


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