問題としての「アメリカ」
比較文学・比較文化の視点から
アメリカは世界を捉えて離さない「鏡」であり続けたのか。「言説としてのアメリカ」の比較文学的な検討を通して明らかにする。
著者 | 日本比較文学会東北支部 編 |
---|---|
ジャンル | 文学 |
出版年月日 | 2020/08/10 |
ISBN | 9784771033733 |
判型・ページ数 | A5・210ページ |
定価 | 2,860円 |
在庫 | 在庫あり |
目次
はじめに 森田直子
第Ⅰ部 日本文化における「アメリカ」
第1章 川端康成『伊豆の踊子』とThe Izu Dancer
――アメリカ冷戦期文化政策と翻訳された自然―― 江口真規
第2章 民主主義とエマソン
――高木八尺におけるアメリカ言説のアイロニー―― 小林竜一
第3章 大衆社会の「美」に逆らうもの
─―三島由紀夫の批評的創造―― 山﨑義光
第4章 村上春樹の『地獄の黙示録』受容とヴェトナム戦争
――エッセイ『同時代としてのアメリカ』から
小説「午後の最後の芝生」へ―― 髙橋由貴
第5章 ふたつの名前を持つ映画について
――谷崎潤一郎「人面疽」論―― 森岡卓司
第6章 「アメリカ」を書き直す
――川端康成の1930年前後をめぐって―― 仁平政人
第Ⅱ部 アメリカ言説の諸相
第7章 親愛なるアメリカの不在
――ロシア語亡命詩人ブロツキーの詩学・世界図―― 中村唯史
第8章 ポストコロニアルなアメリカ表象へ
――韓国における〈戦後〉のアメリカ表象をめぐって―― 佐野正人
第9章 ゾンビ
――アポカリプス的世界観から生み出される未来への希望―― 梁 姫淑
第10章 司馬遼太郎が見たアメリカ
――比較文化心理学・文化心理学・
異文化マネジメントの観点から―― 金子 淳
第11章 江藤淳の〈反米〉と「私」
――『アメリカと私』再読―― 塩谷昌弘
第12章 反米主義
――「感情のうねり」をめぐる私考―― 伊藤 豊
あとがき ――「アメリカ」という問題群―― 伊藤 豊・森岡卓司
内容説明
国も個人も時代も影響を受けずにはいられない存在、「アメリカ」。
世界に展開した多様なイメージの底流を比較文学/文化の視点から究明する。
川端、三島、村上春樹、ブロツキーや「386 世代」の韓国映画監督たち……占領、東西対立、大衆文化の展開など、多様なトピックをめぐって近代日本、そして世界に展開した「言説としてのアメリカ」の内実を、比較文学および比較文化論的な分析によって明らかにする論集。