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渦動する象徴

田辺哲学のダイナミズム

目次

はじめに (杉村靖彦)

座談会「いま田辺哲学を問う」
 第一回 田辺哲学との出会い/田辺の西田批判をどう捉えるか/
     西田と田辺の並走の内実/田辺における「絶対無」と「永遠の今」の問題
     〈外〉から見た「京都学派」/「京都学派」と論理の問題
     「種の論理」――社会、身体の問題――/「種の論理」における国家の位置

 第二回 田辺哲学との出会い/『懺悔道としての哲学』という著作
     哲学と宗教の関係をめぐる西田と田辺/愚者の宗教・悪の自覚
     「死の哲学」について/生の立場と死の立場/死者という問題
     西田と田辺の対立の根/思想史の中での田辺哲学の可能性

第Ⅰ部 「種の論理」の意味とその行方

  「種の論理」の成立と展開 (藤田正勝)

  図式から象徴へ (村井則夫)

第Ⅱ部 「懺悔道」としての宗教哲学 

  「哲学を懺悔道として親鸞的に考え直す」 (杉村靖彦)

  懺悔道(さんげどう)と菩薩行 (田中 裕)

第Ⅲ部 死と象徴をめぐる最晩年の思想

  田辺元における芸術作品の認知的価値 (立花 史)

  田辺元の死と死者の哲学 (竹花洋佑)

第Ⅳ部 「京都学派」の中の田辺哲学

  絶対弁証法の成立 (嶺 秀樹)
    
  論理の〈否定〉の意味をめぐって (板橋勇仁)

  偶然性の役割とは何か (宮野真生子)
  ――「社会存在の論理」と『偶然性の問題』――        

第Ⅴ部 田辺哲学の今日的可能性

  希望のアナクロニズム (田口 茂)

  田辺の時間論とハイデッガー批判 (廖 欽彬)

  懺悔道という哲学における責任の問い (ジョン・C・マラルド)
  (The Question of Responsibility in Metanoetical Philosophy)


【資料1】西田と田辺の最後の往復書簡 (翻刻・解題:藤田正勝)
           
【資料2】『私観 教行信証の哲学』 (翻刻:浦井 聡・竹花洋佑、解題:廖 欽彬)

田辺元文献目録 二〇〇九-二〇二〇 (浦井 聡)

おわりに (竹花洋佑)

事項索引
人名索引

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内容説明

 外を内、内を外へと転じ、全てを反転させつつ動いてやまない「渦動」としての絶対無。

学問と現実の「全て」に対峙しようとした田辺元の思索は、極度に濃密な論述の内に途轍もないダイナミズムを秘め、私たちを突き動かすべく待ち構えている。田辺哲学研究の最前線に立つ、新たな時代のための論集。

 

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